会社設立と同時に誕生した陸上部

陸上部からスタートしたトヨタの運動部は、翌1938年には柔道部が加わり、以降もサッカー部、ラグビー部、バレーボール部などと矢継ぎ早に設立されていきました。戦時中には一時、活動を停止したものの、戦後、すぐに活動を再開し、1946年には男女のバレーボール部など4部が設立されたのをはじめ、1951年までの5年間で12部が新設されました。1951年には年に1回、トヨタグループ各社で競う「全トヨタ総合競技大会」がスタートし、トヨタの企業スポーツはますます盛んになっていきます。

1964年の東京オリンピック・パラリンピックの開催で、日本国内全体でスポーツの機運が一気に高まり、企業スポーツが盛んになっていきました。このころ、国内の企業チームの競技の場として「日本リーグ」が編成され、トヨタも設立に関わりました。この日本リーグの登場は、日本経済界の企業に横のつながりができた点でも大きな意味がありました。これが、トヨタが海外進出を始めた時期とも重なり、トヨタのスポーツの取り組みも事業とともに海外へ広がっていきました。

1970年代になると、トヨタの運動部は、東京にバスケットボールチーム、愛知県（田原工場）には陸上競技部、静岡県（東富士研究所）にはサッカーチームというように、35種類もの実業団チームを擁するまでになります。
現在は、2つのプロチーム(サッカー、男子バスケットボール)と33の運動部を擁しています。
世界の舞台で戦えるアスリートも現れるようになり、トヨタの従業員にとってもスポーツはますます重要な関心事となっていきました。

1980年代半ばになると、トヨタは海外でのスポーツ活動をさらに拡大し、サッカー「トヨタヨーロッパ／サウスアメリカカップ(通称トヨタカップ)」のメインスポンサーに就任しました。この大会は、欧州サッカーリーグ、南米サッカーリーグそれぞれの優勝チームが世界一のクラブチームの座を競う、世界一のクラブチームを決めるサッカーの夢の祭典。1984年～に「インターコンチネンタルカップ」、さらに2000年代半ばには、「TOYOTAプレゼンツFIFAクラブワールドカップ」に名を変えても、2014年までの約30年間、トヨタはメインスポンサーとしてイベントを支援し続けました。