第2節マッチレポート
得点機活かせず、惜敗。
12月25日、相模原市ギオンスタジアムで行われたリーグワン第2節・三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原DB)との試合は、25-27で逆転負け。通算成績1勝1敗となった。
気温12度、雲一つない冬晴れの下、相手のチームカラーにちなみ「全緑応援」と銘打たれた一戦。スタンドが緑色に染まった中でのビジターゲームとなった。
相模原DBは今季ディビジョン1に昇格、前節の開幕戦でリコーブラックラムズ東京を34-8で破っている。その勢いはこの日も衰えることはなかった。トヨタの強みはブレイクダウン。スタイルの似たチームである相模原DBは、その強みで上回った。
先制したのは相模原DB。2分、12月にイングランドのバースから加入したばかりのSOジェームス・シルコックがPGを決める。11分、トヨタもSOティアーン・ファルコンがPGを返して同点に。18分には、WTb髙橋汰地がショートキックを自らキャッチしてトライ。35分にはHO彦坂匡克がラインアウトモールを起点にトライ。15-3とリードを広げる。
トヨタがペースをつかんだかに見えたが、相模原DBはトップリーグ在籍時より格段にしぶといチームに成長していた。
38分、相模原DBはトヨタ陣ゴール前で連続してアタック。ホーンが鳴った後、大外にいたNo8ジャクソン・ヘモポがトライ。15-10として前半を折り返す。
後半、風下のトヨタ。相模原DBのFWの前に出る圧は衰えない。トヨタFWが相手に絡まれ、ターンオーバーされる場面も。相手陣でアタックを継続しても、相手防御に綻びは生まれない。
後半9分、ゴール前スクラムから相手WTBタウモハパイ・ホネティに飛び込まれ15-17と逆転される。
その後、互いに1PGを追加。18-20で迎えた30分過ぎ、試合を象徴するプレーがあった。
初出場のトヨタLOジョー・ローンチベリーが突破するが、フォローが僅かに遅れ、素早く相手に絡まれる。ノットリリース。その後、相模原DBはタッチキックでトヨタ陣中盤へ。直後のラインアウトから3分近くボールを繋ぎ続け、最後はWTBホネティが個人技でポスト下に飛び込む。コンバージョンも決まり、18-27と差を広げられた。トライまで重ねたフェイズは20。トヨタも反則せずに止め続けたが、辛抱強くボールを繋ぎ続けた相手の執念が上回った。
9点差を追うトヨタは直後の37分、ペナルティトライで2点差に。残り時間2分を切り、マイボールスクラムで自陣から懸命にアタックするも、最後はターンオーバーで終了。35-37で敗れた。
SH福田健太ゲームキャプテンは「いいボールキャリーは出来たけれど、それを得点に繋げられなかった。逆に相手はそれが出来た」
得点機は双方にあった。それをものにしたほうが勝者となった。
「全員がコネクトしながらディフェンスできて、Xファクターが何人もいるチームを止められた」
相模原DBのSH岩村昴太主将は勝因を語った。岩村主将は21年シーズンまでトヨタに所属。移籍して2シーズン目で主将に任命された。
「(相手を)意識するなと言っても無理なので、"僕は三菱の岩村昴太"との思いで、仕事を全うした」
コンビを組んだSOシルコットはイングランドU20代表。この日が初先発だったが、決勝トライを生んだ一連のプレーの中で、パスに突破にと自在にプレー。相手の10番がこの日の「Xファクター」だった。
「試合の入りと、80分通してブレイクダウンで2人目のサポートがよくなかった。それがアタックできなかった要因」とFL吉田杏。
ベン・へリングHCは今後の修正ポイントとして「ブレイクダウン、ターンオーバー。本来のトヨタの強みに再度フォーカスする。今日の内容を、自分たちの気持ちを駆り立てる材料として生かしていく」
後半10分から途中出場したNO8姫野和樹も「入りの悪さが気になった。原因はアップなのか、強度なのか、もしかすると練習にあるのか。原因を突き詰めないと」と唇を噛んだ。
試合後、FL吉田杏は岩村主将に、こう伝えた。
「次(4月8日)はうちが勝つ」
それはチームの総意でもある。
「反則に関しては、修正は可能。早めに分かってよかった」(吉田)
次の試合は2週間後。シーズン終了後、「あそこで変われた」と振り返れるベンチマークとしたい。
次戦は来年1月8日、ホームの豊田スタジアムでリコーブラックラムズ東京を迎え撃つ。
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自らのキックをキャッチしてトライしたWTB髙橋汰地
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イングランド代表70キャップのLoジョー・ローンチブリーは後半出場でデビュー
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相手をハンドオフするFL吉田杏
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試合後、岩村を祝福するNO8姫野和樹