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JAPAN RUGBY LEAGUE ONEジャパンラグビーリーグワン

第6節
2023
1.28SAT
14:30
神戸総合運動公園ユニバー記念競技場(兵庫県)
38
9 前半 14
29 後半 7
21
T G PT PG DG T G PT PG DG
0 0 0 3 0 前半 2 2 0 0 0
5 2 0 0 0 後半 1 1 0 0 0
ゲームレポート

試合経過

  • トライ
  • コンバージョンゴール
  • ペナルティゴール
  • ドロップゴール
  • 入替・交替
  • ゴール失敗
  • イエローカード
  • レッドカード
トヨタヴェルブリッツ なし
3'0-5山下 楽平
5'0-7李 承信
ティアーン・ファルコン8'3-7
ティアーン・ファルコン12'6-7
ティアーン・ファルコン14'9-7
18'9-12松岡 賢太
19'9-14李 承信
25'9-14中 孝祐→松永 貫汰
前半終了
0'9-14リチャード・バックマン→ボーディン・ワッカ
0'9-14山下 裕史→前田 翔
木津 悠輔→淺岡 俊亮0'9-14
ヴィリアメ・ツイドラキ2'14-14
ティアーン・ファルコン3'16-14
ジョネ ・ナベテレヴ8'21-14
ティアーン・ファルコン9'21-14
10'21-14トコキオ ソシセニ→ヴィリー・ポトヒエッター
福田 健太11'26-14
12'26-14小瀧 尚弘→今村 陽良
ティアーン・ファルコン12'28-14
彦坂 圭克16'33-14
17'33-14中嶋 大希→日和佐 篤
17'33-14髙尾 時流→山本 幸輝
ティアーン・ファルコン17'33-14
マイケル・アラダイス→西村 龍馬21'33-14
福田 健太→茂野 海人26'33-14
ティアーン・ファルコン27'33-14
西村 龍馬29'33-14
30'33-19山下 楽平
チャーリー・ローレンス→ウィリー・ルル―31'33-19
31'33-21李 承信
ウィリー・ルル―33'33-21
バティリアイ・ツイドラキ→山口 修平33'33-21
ウィリアム・トゥポウ40'38-21
ティアーン・ファルコン41'38-21
後半終了

メンバー

  • IN
  • OUT
  • CAPTAIN

スターティングメンバー

トヨタヴェルブリッツ なし
FW1三浦 昌悟FW1髙尾 時流
2彦坂 圭克2松岡 賢太
3木津 悠輔3山下 裕史
4秋山 大地4小瀧 尚弘
5マイケル・アラダイス5JD・シカリング
6ウィリアム・トゥポウ6サウマキ アマナキ
7古川 聖人7マルセル・クッツェー
8ピーターステフ・デュトイ8トコキオ ソシセニ
HB9福田 健太HB9中嶋 大希
10ティアーン・ファルコン10李 承信
TB11ジョネ ・ナベテレヴTB11山下 楽平
12チャーリー・ローレンス12リチャード・バックマン
13バティリアイ・ツイドラキ13ラファエレ ティモシー
14髙橋 汰地14中 孝祐
FB15ヴィリアメ・ツイドラキFB15山中 亮平

リザーブメンバー

16加藤 竜聖16酒木 凜平
17百地 龍之介17山本 幸輝
18淺岡 俊亮18前田 翔
19西村 龍馬19今村 陽良
20小池 隆成20ヴィリー・ポトヒエッター
21茂野 海人21日和佐 篤
22山口 修平22ボーディン・ワッカ
23ウィリー・ルル―23松永 貫汰

ゲームレポート

12人で守り、攻めた7分間。

神戸Sに逆転勝ち

 トヨタヴェルブリッツは1月28日、交流戦初戦でコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)と神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で対戦。試合は後半、トヨタが4連続トライで逆転したが、終盤にイエローカードが3枚出て12人に。残り10分、12点差を守りきりトライを追加。38-21で今季2勝目を挙げた。

        ●

 待望の2勝目は、苦しんで苦しんだ末に訪れた。気温4度、後半に雪が舞った極寒のユニバー競技場。この日の試合は、まるで3本の違う映画を観ているようだった。

 1本目は前半40分。神戸Sの試合開始のキックオフがダイレクトタッチとなり、トヨタはセンタースクラムを選択。アタックするも、ターンオーバーから先制トライを許す。その後はSOティアーン・ファルコンが3PGを重ねて、9-7と逆転。アタックを意識しつつも無理をせず、慎重に得点を重ねた。だが18分にはラインアウトモールからトライを奪われ、9-14で折り返した。攻めてもフィニッシュまでつながらない、もどかしい前半だった。 

 2本目は後半開始からの20分。うって変わって一気呵成のアタックを見せた。SOファルコンのキックオフから、アタックを継続。最後はFBヴィリアミ・ツイドラキが兄のCTBバティリアイからパスをもらって兄弟でフィニッシュ(開始2分)。

「前半、FWはめっちゃ頑張ってくれたんですけど、BKはファーストフェイズでミスが目立ったから、ハーフタイムでは"もっとボールを大切にしよう"と」(SH福田健太)

8分にはラインアウトモールを押しこんでからBKへ。左端にいたWTBジョネ・ナベテレヴが長身を利してインゴールでボールを抑えた。11分には、自陣のラインアウトモールからHO彦坂圭克が抜け出し、フォローしたSH福田健太にパス。福田は俊足を活かして30㍍近く走り切った。これで28-14。

「圭さんが抜けそうだったので、抜けた瞬間、"ヨシーッ"と大声で呼びました」(福田)

「僕では走りきれないと思ったので、"ありがとう"と、放りました(笑)」(彦坂)

ディフェンスしていた相手がモールに入った瞬間を見逃さずにスペースをついた彦坂、それを察知してフォローした福田。落ち着いて状況を見極めていた2人の嗅覚が生んだトライだった。

16分には今度はラインアウトモールからHO彦坂がトライ。コンバージョンは外れたが、これで33-14。残り時間20分余、19点のリードを守り切ればよいはずだった。

だがここで予期しなかった3本目の幕が開く。29分、相手がインゴール付近になだれ込んできた際、SOファルコンがノットロールアウェーの判定でイエローカードに。その直後、ゴール前スクラムから神戸Sが攻めた際、ディフェンスに行ったLO西村龍馬が相手の頭部と接触、TMOで危険なプレーとの判断で、こちらもイエローカードに。

その1分後、ゴール前スクラムから神戸Sにトライを奪われ、リードは12点に縮まった。33分には、交代出場してすぐのFBウィリー・ルルーが、故意のノックオンとのTMOの判断で3枚目のイエローに。残り時間、12人で戦わざるを得ない状況となった。

 ルルーのペナルティで相手はタッチキックを選択。ラインアウトから攻めた。そこで出来た密集でFL古川聖人がターンオーバー。横にいたWTB髙橋汰地に素早くパス、髙橋は相手陣に蹴りこんだボールを全力でチェイス。ぎりぎりボールを確保した。この時点で残り7分。

 後は、ボールをキープし続けて時間を使うこと。反則やターンオーバーで相手に攻撃権を渡せば、人数的に大きなハンディとなる。攻撃は最大の防御。グラウンドにいた12人がFWBK関係なく愚直に身体を張り続けた。フェイズを重ね、じりじりと相手のゴールラインへ。SO不在の状況で試合をコントロールしたのは、SH福田に代わって出場していたSH茂野海人。状況を冷静に見つつ、自在にボールを捌きFWを操った。チームを知り尽くしたベテランの真骨頂だった。

 27フェイズを重ねたところでターンオーバー。残り時間は4分を切っていた。相手もプレーを切らず懸命に繋ぐ。そこで今度はWTBナベテレヴが球を奪い取り、再び相手陣へ。ゴール前でペナルティをもらうと、PGを狙わず古川がタップ。最後はFLとして初先発したウィリアム・トゥポウが抑え、TMOでトライが認められた。スコアは38-21。これが3本目のラストシーンだった。

 古川共同キャプテンは「自分たちが見せたかったものを、感じてもらえたと思う。今に集中することが出来た」と振り返った。

 値千金のターンオーバーは、こぼれたボールに咄嗟に反応したもの。きっかけはゲームキャプテンのFLピーターステフ・デュトイが一瞬で相手の身体を反転させたタックルだった。

「これまでだったら、(ターンオーバー)できなかったかもしれない。今に集中したからこそ反応できた」(古川)

 プレーヤー・オブ・ザ・マッチのHO彦坂も「今週はずっと自分たちからテイク(取り)する、ボールを持ったらとにかく前に進むとやってきた」

終盤、数的不利な状況に追い込まれたことで、かえって結束が強まった。

「我々よりトヨタのほうがハングリーだった」と神戸Sのニコラス・ホルテンHC。

 12人でがむしゃらに戦った7分間。その時間が、残り試合を戦う上での拠り所となる。

①神戸Sのゲームキャプテンは南ア代表FLマルセル・クッツェー(左)。

シャークス時代の同僚でもあり、表情を和らげるデュトイ

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②プレシーズンにFL転向、タックルにパスに輝きを放ったウィリアム・トゥポウ

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③随所で持ち前の突破力を見せたHO彦坂圭克

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④ターンオーバーでチームを救ったFL古川聖人共同キャプテン

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