試合経過
- トライ
- コンバージョンゴール
- ペナルティゴール
- ドロップゴール
- 入替・交替
- ゴール失敗
- イエローカード
- レッドカード
T | G | PT | PG | DG | T | G | PT | PG | DG | |
6 | 6 | 0 | 0 | 0 | 前半 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 |
1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 後半 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 |
リーグワン再開前日、
ミライマッチでRH大阪に勝利。
2月17日、トヨタスポーツセンターでNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(RH大阪)とミライマッチが行われ、トヨタが49-19で勝利を収めた。
●
1週間のバイウイーク明けの試合。トヨタはフロントローにケガ人が出て、大学のオフシーズンで練習に来ていた京産大の学生が急きょメンバー入り。グラウンド脇には「迷惑をかけないか、心配で」と駆けつけたトヨタOBである廣瀬佳司・京産大監督の姿も見られた。だがその心配は杞憂に終わった。
トヨタは試合開始のキックオフから繋ぎ、WTB小澤大がノーホイッスルトライ。6分にRH大阪に7―7の同点に追いつかれたが、すぐにWTB中野剛通のトライで逆転すると、10分で3トライを畳みかけ、前半で42-12と大きくリード。序盤から激しいタックルでRH大阪のアタックを寸断。終始優位にゲームを進めた。後半は7-7と同点も、最終スコアは49-19と開いた。。
キャプテンを務めたSh梁正秋は「いつも言われていることですが、"キックゲームをうまく運ぼう"と。エリアコントロールがうまくいったら、いい流れにできる」と納得の表情。
大学生が出場したスクラム、ラインアウトのセットプレーも、不安定さは見られず。「ずっと"失敗してもいいから、思い切って行け"と言い続けました」(梁)。京産大の先輩としても、若い後輩たちをうまくリードした。
翌18日からリーグワン6連戦が始まる日のミライマッチ。シーズン後半に向けた収穫も多かった。
試合前日に加入が発表された5人の新加入選手の中から、LOアイザイア・マプスア(慶大)が先発。後半、ハイタックルでシンビンとなったが、ラインアウトキャッチ、力強いモールプレーは、戦力として十分に計算できそうだ。
昨年10月に加入したWTB和田悠一郎も前半15分、14-7と競っている状況で自陣深くから一気にカウンター。70㍍近くを走り切り、FLウィリアム・トゥポウのトライに繋げた。同志社大時代からスピードランナーとして活躍していた和田だが、「トヨタに入って、"体重をあげなアカン"と爆食したら、ぶくぶくになってしまって」
体重を絞り、筋量を上げて切れのある走りが復活した。
「トライをとりたい。そのために、周りとコミュニケーションをどうとるか、いろいろとやってます」
この日、トライはなし。「トライが遠のいているので、そろそろいきたいです」と次戦に意欲を見せた。
SOで先発した丸山凜太朗も、難しい位置を含む7トライすべてのコンバージョンを成功させ、正確なキック力をアピール。これからリーグワンは6試合連続で試合が続き、チームとしての底力が試される。それだけに若手の台頭は、明るい材料となる。
TOPICS
①「らしさ」は通用。
ミライマッチに「助っ人」として出場した京産大の4人(HO李淳弘、PR川口新太が先発、Pr乳井大士、HO平野叶苑がリザーブ)。大学のオフシーズンに廣瀬監督の古巣であるトヨタで練習していたところ、声がかかった。全員が2年生。体格こそ違うが、フィットネスではリーグワンの選手に引けをとらず、鍛え込まれた京産大らしさを発揮した。
中でもPR川口は80分フル出場。
「周りが凄すぎて、前半20分で心が折れそうになりました(笑)」と言うが、後半にはスクラムでペナルティをもぎとり、祝福される場面も。「ファーストスクラムは前に出ようとしすぎたんですが、2本目から姿勢だけを意識したらうまくいきました」。185㌢127㌔と、サイズはすでにワールドクラスだ。
スローイングやモールに入って健闘した李は「スクラムは、LOとバックローの押しが強いので、姿勢を取るだけで押せた」と驚き。乳井は「出場時間は少なかったですが、大学の試合とはスピード感が全く違うので驚いた」。平野は「高いレベルでやれて楽しかったけど、コンタクトやスローイングの精度が劣っていたので、大学に返って一から直していこうと思いました」。それぞれが大きな刺激を受けた。
廣瀬監督は「周りに迷惑をかけなくて、ホッとました」と安堵。「大学とはスピード感が全く違う。いい経験になったと思う」。新チームは3月1日から始動するが、3季連続の関西大学リーグ連覇に向け、大きな刺激となった。
●
TOPICS
②次はディビジョン1で対戦へ
前半、RH大阪の10番として出場したのが、昨季までヴェルブリッツに所属していた金典弘。昨年春、トヨタを退社、故郷の大阪に戻り、RHに加入した。チームを去る際に「いつかトヨタと試合したい」と言っていたのが、早くも実現。「ビックリしました」
試合では、持ち味である左足のロングキックを披露。「トヨタとは初めての試合でしたが、想像以上に強かったです」と兜を脱いだ。
RH大阪の10番はバイスキャプテンでもある川向瑛が不動。「川向さんからは吸収することが多い。試合に出るために自分に何が足りないのか、よくわかります」
次なる目標は、RH大阪がディビジョン1に昇格しての対戦だ。
①慶大からこの春、新加入のLOアイザイア・マプスア
②強気の走りを見せたルーキーWTB和田悠一郎
③好調のCTBマレ・サウ。リーグワンでの登場が待ち遠しい
④左腕には14日に逝去された豊田章一郎氏を追悼する喪章が巻かれた
【京産大写真】
左から廣瀬監督、PR川口、HO平野、PR乳井