2022/08/01
7月27日に配信されたトヨタイムズ放送部は、創設30周年を迎えた「名古屋グランパス」を特集。Jリーグ発足当初からのサッカークラブとして栄光や挫折の歴史、未来に向けての展望を、凝縮してお届けした。スタジオゲストの山口素弘GMのほか、レジェンドの楢崎正剛さんや現主将の稲垣祥選手より、知られざるエピソードやサポーターへのメッセージが披露された。この記念すべき夏、豊田スタジアムがアツい赤に染まる!
横浜フリューゲルスの最後のキャプテンという印象もある山口GMだが、本人の口から意外なエピソードが明かされた。Jリーグの発足前、グランパスの前身となるトヨタ自動車サッカー部から誘いを受けていたというのだ。
だが当時は、トヨタはJリーグへの参加が決定しておらず、プロを志望する山口GMはフリューゲルスに入団した。その後、チームが消滅した1999年にはグランパスへと移籍する。
「(グランパスと)非常に縁があったのかなと。(移籍したシーズンに)なんとか最後に天皇杯のタイトルを獲れたのがうれしかったですね」と振り返っていた。
視聴者からは「山口素弘さんと言えば、1997年日韓戦(ワールドカップ予選)の芸術的ループシュート」と、伝説のゴールを懐かしむコメントも。
さらに、グランパスに20年在籍して、現在はクラブでU-18GKコーチなど3つの肩書を持つレジェンド、楢崎正剛さんがインタビューに登場。トヨタスポーツセンターにあるクラブハウスの一室で、優勝トロフィーや写真を見ながらクラブの歩みを回顧した。
念願のJリーグ優勝を達成したのは、2010年。当時MVPを獲得した楢崎さんは「苦しい思い出も全て吹っ飛ぶし、このためにやっているのを感じられたのは、サッカー選手にとって間違いなく大きなもの。自分たちを高めるには、同じことをしていたら上に行けないのをみんな感じたと思います」と語る。
「ストイコビッチ監督になって、成績が中位にいたクラブが上位で争えるようになり、クラブ全体がリーグ優勝を掴みとるぞという雰囲気になった年だった」と話す楢崎さんに、スタジオの山口GMも「クラブ全体として優勝を意識できるかどうかが大事」と共感していた。
グランパスで10年以上キャプテンだった楢崎さんと、さまざまなチームで主将を務めた山口GMの、それぞれのキャプテンに対する考え方もテーマに。山口GMは、20代の頃はとにかく必死だったと言い、「ようやくキャプテンらしいことをやっていると実感が湧いたのは30過ぎくらい」と打ち明けた。
楢崎さんはキャプテン就任の際、山口GMに相談を持ち掛けたという。「的確なアドバイスがあったか、分からないですけど(笑)」と冗談を交えつつ、「自分が普段取り組んでいることを、しっかりみんなに見せて行けばいいといいうか。みんなプロサッカー選手なので、キャプテンマークを巻いているかはあまり関係ないです。全員が巻いているみたいな、そういうチームがやはり強い」と語る。
山口GMも「一人ひとりが自分のチームだという。当事者の意識。それがあれば本当に、強い個性の集まりが一つの目標に向かって、より強く、より魅力的なチームになると思います」と話していた。
今年のグランパスは、放送日の時点でリーグ13位。主将の稲垣祥選手はリモートでのインタビューで「正直もどかしい気持ちや、悔しい気持ちが大きいのですけど、自分たちが狙っているプレーを表現できることが増えてきたり、手応えがあることも確か。ただ、結果を求めてやっていきたい」とチームの現状への気持ちを吐露していた。
そのうえで、「攻撃でも守備でもよりアグレッシブに、自分たちからアクションを起こしていくところは、常に模索しながらやっています。わかりやすく言うと、ボールを奪いに行っているか、ゴールを奪いに行っているか、そこを見てもらえれば」と話していた。
山口GMは「プロである以上、結果はもちろん内容の面でも、見に来てくれた人がワクワクして、笑って帰ってもらえるようなスタジアムにしたい。その方がタイトルで上位に行けるのは間違いないし、もっとグランパスを応援したいと思ってもらえる」と抱負を語る。
過去・現在に続いて、未来に向けてグランパスが目指すものについても、番組では山口GMに話を聞いた。チームスローガン「未来へ」に込められた想いや、地元でのホームタウン活動について触れて、山口GMは「これだけ人口が多い愛知県で、Jリーグは1チーム。それだけ注目もされますし、もっとグランパスを利用していただいて地域の活性化につなげられたらと思いますね」と話していた。
夏のグランパスは好成績を残しているイメージが強い。稲垣選手も「グランパスファミリーの皆さんがつくり上げてくれるホームの雰囲気がすごく影響していると思います。夏場で勝って、自分たちが自信を深めて上に登っていくステップにできたら」と語る。
そして、8月のJリーグのホームゲーム3連戦は、「鯱の大祭典」と題してさまざまなイベントやキャンペーンが開催される。スペシャルユニフォームのレプリカのプレゼントもあり、「1995年の天皇杯優勝時のデザインで非常にカッコイイです」と山口GM。
8月19日のジュビロ戦など、声出し応援が一部解禁される試合も増えつつある。スタジアムではもちろん、たとえ映像の前だとしても、より多くの応援がグランパスを強くすることは間違いない!
また、9月と10月の試合では、選手が30周年記念ユニフォームを着用する。リーグ戦で上位に食い込むために、ルヴァンカップでは昨年に続く連覇を目指し、2022年の後半戦も熱い戦いが続いていく。
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