2024/01/31
1月26日のトヨタイムズスポーツは、スケートのショートトラックを特集した。ワールドカップ出場権をかけた全日本選手権にスケート部の6人が出場した中で、キャプテンの横山大希選手をクローズアップ。 レースを終えた後に横山選手が涙を見せた理由について、密着取材で迫った。大きなケガからの復活、スタジオゲストの寺尾悟監督との絆などが明かされ、視聴者から多くの応援コメントが寄せられた。オンラインで出演した本人の熱い生コメントにも注目だ。
1月7・8日に長野県で行われた全日本選手権。最後の種目となる1000mで、横山選手は苦しいレース展開ながらも、ワールドカップ出場権を争う選手を抑えて4位に入賞した。
久しぶりに世界への扉を開いた横山選手は、ゴールの直後は感極まった表情。右のこぶしで小さくガッツポーズを繰り返す。そして、涙ぐみながらインタビューに答えた。
「ケガしてから全然あと1歩ができなくて、本当に引退とかもずっと考えてて。こんな状況でチームで続けてっていいのかなとか、ずっと考えてたんですけど。レース自体は守りに入ったすげえダサいレースだったんですけど、次につながって良かったなっていう思いがすごい強いです。今回悔しい思いをした選手たちが『なんであいつが行くんだ』とか『俺が行ったら良かったのに』って思わないようなレースをする。それが1番だと思っているので。しっかりここから準備して、ワールドカップに行ったら『やっぱ強かったね』って言われるような結果を出したいなと思います」
寺尾監督は、明るいキャラクターの横山選手が涙を流しているのを初めて見たという。「笑顔で来ると思ってたら、全然違う展開で来たので、思わずギュッとした」と抱擁を交わしたそうだ。
日本代表への選出を決めた横山選手のレースとインタビューは30:22から。
通常であれば回復に半年以上かかることも考えられるが、2カ月後にはリンクに戻ってくる姿があった。片足を引きずりながら歩いていた横山選手が、氷の感触をじっくり確かめるように滑る貴重な動画は16:08から。
復帰後の横山選手は、惜しいところで日本代表入りを4シーズン続けて逃していた。ベテランと言われる年代になり、次のオリンピックに向けて大事なシーズンを迎えた。
全日本選手権は、初日に1500mと500m、2日目に1000mを滑る。ワールドカップに出られるのは、各種目の優勝者と、2位以降で順位とタイムで選考された計5名。
初日の横山選手は、「ハッ!」と声を出して太ももを叩くいつものルーティンで臨む。決勝ではなかなか前に行けず、1500mが5位、500mが4位だった。それでも、「いい時のレースのイメージを頭の中でしっかりマインドセットして、明日につなげたい」と自分を冷静に分析し、2日目の代表権獲得に至った。
この日は番組の序盤からコメント欄を盛り上げていた横山選手は、中盤でリモート出演。「自分で思ってた以上に、行けない悔しさがあった」と涙を振り返った。
全日本選手権を12回制したレジェンドの寺尾監督からは、初めて優勝した時に「あと11回獲れよ」と言われたそうだ。18歳年上の寺尾監督にとっては、現役時に一緒に滑った数少ない選手で、「本当に貴重な、長く一緒に戦ってきた仲間」と横山選手を称える。
ケガから長く経っても諦めずに滑り続けることができた理由について、横山選手は「やっぱり楽しいんですよね、スケートが。ケガしても、滑り出すまで体がウズウズしちゃって。そこが一番の原動力ですね」と話した。
2月9日に始まるワールドカップの次戦に向けて、「ケガした経験もありますし、新しく生まれ変わった横山大希を自分も見たいですし、皆さんにもお見せしたいなと思います」と語った横山選手。シーズン終了後には、クルマ好きとして再び番組に登場することを約束した。横山選手の生出演の場面は35:27から。
横山選手、吉永一貴選手と共にワールドカップ出場に内定した平井亜実選手のレースも解説(42:02から)。優勝した1000mのレースの映像を見ながら、3つのポイントに分けて丁寧に紐解くと、平井選手本人が「しっかり解説していただいて嬉しいです」とコメントしていた。
第1回は元チームメイトでもあるアンテロープスの山本麻衣選手。東京大会では3人制バスケットボールの代表としてメダルを逃す悔しい思いをした山本選手の、パリに向けた想いやキャッチコピーは51:31から。
横山大希
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