2025/04/24
2024-25大同生命SV.LEAGUE レギュラーシーズンを3位(35勝9敗)で通過したウルフドッグス名古屋。4月18日からチャンピオンシップクォターファイナルに臨んだ。対戦相手はレギュラーシーズン6位の広島サンダーズ。
GAME1では先発ミドルブロッカーに本来はオポジットのリヴァン・ヌルムルキを起用する。これはレギュラーシーズン終盤でベテランの近裕崇が負傷離脱したことが背景にあった。今季は主にリリーフブロッカーで投入されていたとはいえ、これが今季初スタメン。リヴァン本人は「緊張していました」と振り返るも、そこで奮起したのがチームメートたちだった。
オポジットのニミル・アブデルアジズがチーム最多30得点、アウトサイドヒッターの山崎彰都が21得点と続いたほか、その山崎が5本、途中出場の高梨健太キャプテンが4本とブロックシャットを浴びせて主導権をにぎり、3-1でGAME1を制した。
印象的だったのは、リヴァンが前衛ライト、ニミルが前衛センターに位置するローテーションにおいて、オポジットのニミルがクイックを要求して決めきった場面。シーズンを通して初めて繰り出した戦法であり、コート上がどんな陣容であっても柔軟に戦えるように、チームとしてまだまだ進化していくことの意思表示と言えた。
続くGAME2では、GAME1は欠場していた水町泰杜が先発出場。水町とリヴァンがサーブでブレイクを重ねるなど優位に試合を進め、ニミルがチーム最多21得点、さらには「出番がきたら自分の仕事をしっかり果たす」と意気込んでいた高梨キャプテンが12得点と続き、3-0で勝利。2勝目をあげてセミファイナル進出を決めた。
チャンピオンシップでの抜擢に応えたリヴァン
今季の個人三冠(総得点、アタック決定率、サーブ効果率)を獲得したニミル
チャンピオンシップのクオーターファイナルは今季のホームゲーム最終戦に。勝利を喜んだ
4月25日からのセミファイナルの相手はレギュラーシーズン2位通過のサントリーサンバーズ大阪。昨年末の令和6年天皇杯全日本バレーボール選手権大会を制している。高いアタック決定率を誇るアウトサイドヒッター2人と身長218㎝のオポジットを擁する攻撃陣は強力そのものだ。
レギュラーシーズンの対戦成績は4勝2敗と上回っているものの、うち3試合はフルセットと常に競り合っている相手。バルドヴィン監督は4月19日の試合後の記者会見で「どう戦うかをここで言うわけにはいきませんが…」とほほえみつつ、「強い相手に対して試合をするうえでは、すべてにおいて完璧でなければと考えています」とコメントした。チームの強みであるサーブだけでなく、ブロックとレシーブの関係性の構築や的確なアタックチョイスなど「あらゆる面で効果的に戦うこと」(バルドヴィン監督)が勝利の鍵となる。
チームとしてシーズンを通して追求してきたのは「安定感」。高いクォリティを終始発揮しファイナル進出を目指す。
山崎(彰)はどのポジションでもプレーできる貴重な存在
WD名古屋を指揮して3季目のバルドヴィン監督
高梨キャプテン(中央)を先頭に頂点を目指す
バレーボール