2025/10/08
10月3日のトヨタイムズスポーツは、男子バスケのアルバルク東京を特集した。
近年はリーグ戦で安定した成績を残しながら、チャンピオンシップで悔しい思いをしてきたアルバルク。TOYOTA ARENA TOKYO(トヨタアリーナ東京)に本拠地を移し、目指すはもちろんBリーグ王者。
新天地で優勝を飾るのに必要なラストピースとは? 選手たちに今シーズンへの覚悟を聞いた。
アルバルク東京が当日夜に開幕戦を迎えるとあって、生配信のスタジオも臨戦態勢。育休中だったアスリートキャスターの三好南穂さんも「銀メダリストとして来ました」と半年ぶりに出演した。
今年のチームが注目を集める理由は、約1万人を収容する新アリーナ。開業記念式典 やアリーナの内部はこれまでに紹介してきたが、そのこけら落としとなる試合はBリーグ全体の開幕戦でもある。
豊田章男会長は「負けられないでしょ」「ホームでの勝率をよく見たい」とコメントしており、選手たちにも相当なプレッシャーがかかっていることが想像できる。
森田京之介キャスターがひと足早くリポートした、プレシーズンの試合が行われたアリーナの模様は5:59から。
過去3シーズンを振り返ると、リーグ戦では地区2位に入ってチャンピオンシップに進むものの、強豪の千葉や琉球に跳ね返された。三好キャスターは「爆発力がちょっと足りなかったのかなと思います。今までとはちょっと違うことをやるというところを、なかなか出せなくて」と短期決戦の難しさを語った。
新加入はブランドン・デイヴィス選手、マーカス・フォスター選手、中村浩陸選手の3人。デイニアス・アドマイティスHC体制の4年目について、伊藤大司GMは「次のステップとしては、選手が自分たちでシステムを破って得点につなげられるか。ロボットじゃなく自分たちで『ここは打開するんだ』というところ」と伊藤GM。3年間積み上げてきた戦略や戦術から、さらにその上を行く「打開」をキーワードとして強調した。
積み上げたものを崩すことに、三好キャスターは「やっぱり怖いです、選手としても。 崩して失敗したらどうしようとかというのはあるんですけど、この 3年間勝てていないという現実は選手たちも受け止めてはいると思うので、今シーズンは変わろうと思っているんじゃないかな」と解説した。
まず話を聞いたのは、司令塔のテーブス海選手。これまでを打開する手段について「どこかで違うペースや違うリズムを作るとなると、僕から始まると思う。ところどころペースを上げたり、速攻でレイアップまでいったり、そこは意識してプレーしたいですね」と語る。
今年は日本代表での出場機会も増え、さらなるレベルアップを目指す。「ミスを恐れずチャレンジすることが一番大事」「メンタリティをまず変えて、序盤から得点を取りにいく姿勢も見せないといけない」「自分が成長することでチームも成長する」といった積極的な発言を連発し、新しい姿を見せてくれそうだ。
最新の髪型のこだわりポイントも注目の、テーブス選手へのインタビューは16:29から。
番組は残るキーパーソンの小酒部泰暉選手と平岩玄選手にもインタビュー。小酒部選手は「去年以上に自分を出したい部分はあるんですけど、チームのために犠牲になってやることを、覚悟を持っていきたいと思います」と語った。
エースキラーとして守備の要を担う小酒部選手。森田キャスターに「今までの小酒部泰暉から、はみ出していくところを見せる気満々?」と質問され、「満々です」と答えた後に「自己犠牲しながら」と続けたところは、その覚悟の強さをうかがわせる。
センターの平岩選手は、「コーチから求められる戦術は100%やる前提で、さらに選手同士でそれを破ってドライブした方がいいよねとか、そこのせめぎ合いがうまくバランスも取れてできたらいいですし。自分たちが勝てるように、どう戦術を壊してオーバープレーしていくか。そこがすごく難しいんですけど」と語っていた。
2人はサイゼリヤによく行っていたそうで、ミラノ風ドリアの食べ方が話題になった。
同期入団で仲良しの小酒部選手と平岩選手のインタビューは24:37から。
過去のスタッツを見ると、アルバルクは昨年も失点はリーグ最少。一方で、得点は上位のチームとしては少ないことがわかる。
三好キャスターが指摘したのは、速攻での得点を示す「ファストブレイクポイント」。昨シーズンはリーグ最下位の392点で、1位の名古屋Dの886点とは大きな差があったという。
そこで求められるのは、攻撃の起点であるテーブス選手のスピード感やテンポを変える動きなど。三好キャスターは自身がアンテロープスで優勝した時の経験を振り返った。
「ヘッドコーチが言っていることをわかってきて、体もスムーズにできるようになった時に、選手同士で考えたことをやるようになったら、どんどん勝てるようになった。アルバルクもそういった感覚が出てきて優勝につながるかもしれないなと」
放送の約6時間後。トヨタアリーナ東京の開業を飾るBリーグ開幕戦には、両キャスターも駆け付けた。
アルバルクの対戦相手は、昨年優勝チームの宇都宮ブレックス。2年連続リーグMVPのD.J・ニュービル選手や比江島慎選手が健在で、ライアン・ロシター選手や急遽登録外となったテーブス選手ら主力を欠いたアルバルクは序盤から圧倒された。
アリーナの大声援を受け、安藤周人選手が気迫の3ポイントを見せるが、リードは広がる一方。最後までペースをつかめず、56-81の苦い敗戦となった。
2日後もブレックスとの第2戦。相手は突き放しにかかるが、1Q終盤、コーナーでパスを受けた小酒部選手が3ポイントのフェイントから一気に切り込み、豪快なダンク。昨年までのイメージを打ち破るアグレッシブなプレーに、スタンドは一気に沸いた。
2Q以降は拮抗した試合が続き、3Qでザック・バランスキー選手の3ポイントなどで一時逆転。4Qは宇都宮のニュービル選手の3ポイントでリードを奪われるが、粘りを見せて2点差に詰め寄る。残り約10秒の攻撃で逆転を狙うが、あと一歩及ばず。64-66で惜敗した。
リーグは残り58戦で、次節(10月11・12日)は琉球が相手。さらに今シーズンは10月8日から東アジアスーパーリーグ(EASL)の試合が始まり、厳しい戦いが続く。しかし、昨年の王者を相手に2日間で打開へのヒントを得て、この先は期待しかない! まずは新アリーナでの初勝利を楽しみにしよう。
毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2025年10月10日)もバスケットボール、女子のアンテロープスを特集する。昨シーズンは若手中心のチームで臨み、苦しい戦いやアメリカ合宿を経て選手たちが成長。新戦力を加え、こちらもトヨタアリーナ東京でWリーグ開幕戦を迎える。スタジオゲストは、ケガから復帰した平下愛佳選手と横山智那美選手。ぜひ、お見逃しなく!
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