2025/09/25
今年で3年目を迎える「トヨタスポーツサマーキャンプ2025」が豊田市にあるトヨタスポーツセンターと全トヨタ労働組合連合会研修センター つどいの丘※で開催された。小学3~6年生を対象としたこの取り組みは、夏休みの7〜8月に1泊2日の特別プログラムを計3回(第1~3期)実施。参加者も過去2年から募集範囲を拡大し、トヨタ自動車従業員のお子様に加えてグループ会社従業員や豊田市在住のお子様も含めた総勢148名が参加した。
※全トヨタ労働組合連合会が運営するスポーツ施設、広場、会議室などを備えた宿泊施設。トヨタ系企業の組合員やその家族をはじめ、広く一般利用が可能。
トヨタスポーツサマーキャンプは、アスリートとの触れ合いや同世代との集団生活を通じて、体を動かす楽しさや挑戦する大切さ、多様性を考え、可能性をさらに広げるきっかけを提供することをコンセプトにしたトヨタならではのスポーツアカデミーだ。トヨタグループに所属するトップアスリートたちが講師となって「チャレンジ」「フェアプレー」「ネバーギブアップ」「ドリーム」といった精神を習得する様々なプログラムを提供している。2023年の初開催以降、毎年国内外のトップレベルで戦う多くのアスリートが参加し、今年はラグビー、野球、バスケットボール、ハンドボール、パラ陸上競技、バドミントンなど計19競技に及ぶトップアスリートたちが集結した。
※★=オリンピック・パラリンピック出場
第1~3期まで計3回開催された今回、各期それぞれで実施するプログラムの大きな枠組みは変えない一方で、アスリートは毎期入れ替わりで参加し、その数は総勢60名にのぼった。
<第3期 1日目>
【アスリート座談会】
「挑戦する勇気」をテーマに実施された“アスリート座談会”。第3期ではアスリートOBOGの川本武史(競泳・東京2020出場)、安井雄一(陸上長距離)、竹中七海(新体操・東京2020出場)の3名が夢や目標の実現に向けた自身の経験や考え方を伝え、競技への向き合い方や心構えなどに関する子どもたちの質問に答えた。
左から安井雄一(陸上長距離)、川本武史(競泳)、竹中七海(新体操)
質問タイムでは子どもたちから鋭い質問が飛んだ
声掛けや思いやりが必要なフラフープを使ったレクリエーション
昨年に続いて参加した川本は「子どもたちが積極的に前のめりで参加してくれたのがとても印象的。この取り組みをもっと多くの人に知ってほしい」と、充実した表情を見せた。
【チームセッション①】
「目的意識をもって取り組む」というテーマのもと「全力を出す」「あきらめない」「おもいやり」「挑戦する」の4つのキーワードから各自がこのセッションで取り組むひとつを選び、チーム競技を体験。第3期ではグループ会社からトヨタ車体女子バレーチーム(クインシーズ刈谷)の鍋谷友理枝チームアドバイザー(リオ2016出場)、髙橋沙織 U15コーチ、山口頌平コーチが参加し、バレーボールの基礎技術を楽しく学べるセッションを実施した。
左から鍋谷友理枝チームアドバイザー、髙橋沙織 U15コーチ、山口頌平コーチ
競技披露では迫力あるスパイクに驚きの声が上がった
今年現役を引退した鍋谷チームアドバイザーは、初参加となった今回の取り組みについて「それぞれが最初に設定したキーワードを意識しながら、苦戦しながらも下を向かずチャレンジする姿勢を見せてくれたことに感動しました。トヨタグループの強みが詰まったこの活動の参加者から、将来世界で活躍してくれる子どもたちが出てくれると嬉しいです」と語った。
<第3期2日目>
【チームセッション②】
2日目のチームセッションでは「チームワーク」をテーマにトヨタ自動車女子ソフトボール部(レッドテリアーズ)のメンバーが競技体験を実施。初日同様に「おもいやり」「協力する」「助け合う」「あきらめない」の4つの中から各自が取り組むキーワードを選び、ソフトボール体験を通じてチームワークを学んだ。
キャッチボールの指導をする下山絵里
チームの副キャプテンを務める下山絵里は「子ども同士で声掛けしながら、こうしたら良いよ!と教え合っていたのが素晴らしいなと感じました」と、チームワークを体現する子どもたちの姿勢を称えた。
【福祉体験】
トヨタスポーツサマーキャンプの最後のプログラムとして実施された車いすや義足の福祉体験。基本的な操作説明からチームに分かれて競い合うリレーといったアクティビティ要素を加え、「多様性」について楽しく学べるプログラムを実施。
左:渡辺一平(競泳・リオ2016/パリ2024出場) 中央:高橋峻也(パラ陸上 やり投・パリ2024出場)
豊田自動織機からはセーリングでパリオリンピックへ出場した田中美紗樹選手(左)、永松瀬羅選手(右)が参加
豊田通商からはバドミントンでロンドンオリンピックへ出場した佐藤冴香選手(左)、リオオリンピック金メダリストの髙橋礼華選手(右)が参加
豊田通商バドミントン部の吉田菜那選手(左)、鈴木利拓選手(右)
車いすを体験する子どもたち
アスリートのサポートを受けながら義足を体験
視覚や聴覚が不自由な状態で実施した“ごちゃまぜポートボール”
ハンディキャップリレーでは各走者がハンディキャップを抱えた状態で襷を繋いだ
2度目の参加となった渡辺一平(競泳・リオ2016/パリ2024出場)は「自分が小学生だった時には、車いすや義足を体験する機会はなかったので、楽しく学べる今回のプログラムを羨ましく思う」と振り返り、豊田自動織機の永松瀬羅選手(セーリング・パリ2024出場)は「日常の中で困っている人がいた時に自然に手助けが出来るきっかけになれば嬉しい」と語った。
親元を離れた集団生活でも子どもたちの笑顔は絶えなかった
閉会式では記念タオルやトヨタスポーツグッズが配られた
トヨタ自動車、グループ会社6社、豊田市民から総勢148名のお子様が参加した今回。初日は不安げな表情でやってきた子どもたちも、全てのプログラムを終えた後には「色々なスポーツを体験出来たことが楽しかった」「たくさんのアスリートから学ぶことができて嬉しかった」と笑顔に溢れ、別れ際には涙を流す姿も見られた。スポーツを通じた人間的成長を掲げるこのプログラムを経験した子どもたちが、今後あらゆる分野で活躍していくことで“スポーツの輪”が広がっていく。そんな未来に期待したい。
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