2025/10/06

トヨタとともに名古屋グランパスが挑む!「グランパスサステナEXPO」開催 ~サッカーがつなぐ未来とサステナブルな取り組み~


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2025年9月20日(土)、名古屋グランパスは明治安田J1リーグ第30節湘南ベルマーレ戦において、クラブとして初めての「グランパスサステナEXPO ~サッカーがつなぐ未来~」を開催。当日は29,550人の来場者が集まり、大きな盛り上がりを見せた。

“サッカーがつなぐ未来” をテーマに、気候変動への対応や共生社会の実現に向け、来場者の皆さまにサステナブルな取り組みをより身近に感じてもらえるよう、楽しみながら学べる4つのパビリオン(気候アクション・モビリティ・共生社会・サステナライフ)を展開した。

本イベントでは、名古屋グランパスが主導でイベントを企画・運営する中、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)がパートナーとして連携し、水素技術やモビリティ、災害時給電などの展示・体験型ブースを実施した。さらに、トヨタ以外のパートナー企業や自治体が参加し、「仲間づくり・みんなでサステナにトライ」をコンセプトに、多彩なコンテンツを提供した。

FCEV(燃料電池自動車)からの給電


化石燃料を燃料とする発電機に代えて、水素燃料電池車両(FCEV)からの給電を活用。キッチンカー35台や出展ブースへの給電を行い、静かで、スタジアムグルメの匂いが漂う快適な環境を提供した。

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トヨタ自動車 水素事業推進部 広報・訴求G グループ長 矢橋 洋樹氏のコメント

矢橋氏は、「スポーツイベントだけでなく音楽フェスなどでも実施していますが、CROWN、MIRAI、Moving e等のFCEVを用いたキッチンカー35台への給電は過去最大級です。特に大きな違いは音と匂いで、FCEVからの給電により、無音・無臭の環境を提供できます。来場者の方には『スタジアムからのチャントがはっきり聞こえる』、『食事の匂いが漂う』との評判もいただいています」と述べた。

矢橋氏はさらに、「水素は現在、防災用途での活用を推進しています。日本は災害が多く、時折停電も発生します。その際に車両のAC100Vコンセントに接続するだけで多くの生活家電を使えます。FCEV(MIRAIやCROWN)は大容量の外部給電機能を備えており、1台で一般家庭の1週間分に相当する電力が供給可能。今後は身近な場面でも活用してもらえるよう、認知をさらに広げていきたい」と語った。

トヨタ自動車 水素事業推進部 広報・訴求G グループ長 矢橋 洋樹氏

トヨタ自動車 水素事業推進部 広報・訴求G グループ長 矢橋 洋樹氏

水素グリラーによるマシュマロ焼き体験


素形材技術部からは、リンナイ株式会社とトヨタが共同開発した水素グリラーを活用し、マシュマロ焼き体験を実施。都市ガスを使う従来型コンロと異なり、燃焼時にCO2を一切排出せず、加熱水蒸気が出てくるのが特徴だ。さらに一般的な都市ガスに比べて含まれる水蒸気が多いため、食材の水分が失われにくく、煙も少ないなど調理面でのメリットもある。

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片岡氏は、今回の体験型取り組みの背景と今後の展望について、以下のように述べた。

「水素をより身近に活用する方法を検討する中で、新たな用途の一つとして燃焼による調理の可能性に着目し、リンナイ株式会社との共同開発を開始しました。水素は水蒸気を多く含むため焦げにくく、煙が出にくい、という特徴があります。今回は、水素の利用拡大と水素について身近に感じてもらえるようにマシュマロ体焼き体験を実施しました。皆さまに、楽しみながら体感していただくことで、水素についての認知や理解が広がっていけば嬉しいです。現時点ではあくまで試験機としての導入ですが、今後も活用の幅を広げていきたいと考えています」

トヨタ自動車 素形材技術部 先行開発室 主幹 片岡 孝生氏

トヨタ自動車 素形材技術部 先行開発室 主幹 片岡 孝生氏

TOYOTA UPCYCLE


新事業企画部からは、トヨタが手掛ける「TOYOTA UPCYCLE」と、バリュエンスジャパン株式会社が運営する「HATTRICK」の協力のもと、アップサイクルコラボレーションバッグの販売を実施。クラブに眠っていた過去のユニフォームと、トヨタの製造工程で発生したリユース・リサイクルが難しいシートベルトやシートレザー、エアバッグにも使用されるナイロン基布などの廃材を組み合わせて、新たな価値を生み出した。

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トヨタ自動車 新事業企画部 高木主幹によると、今回の取り組みは「“モッタイナイ“を“もっといい“に変える」というコンセプトのもと企画されたものだという。車の製造工程で生じる廃材と名古屋グランパス製品の廃材を組み合わせることで、新たなプロダクトとして生まれ変わらせた。

高木氏は今回のコラボレーションについて、「シートベルトやユニフォームの廃材を組み合わせた商品には、お客様からも『面白い』という声をいただいています。まずは車の製造工程で出る廃材をさまざまな形でアップサイクルしていければと考えています。 さらに、グランパスとの連携のように、世の中の“モッタイナイ“ものと車の“モッタイナイ“ものを掛け合わせ、新たな価値を創出していきたいと考えています」と述べた。

トヨタ自動車 新事業企画部 事業開発室 BE creationグループ 主幹 高木 忍氏

トヨタ自動車 新事業企画部 事業開発室 BE creationグループ 主幹 高木 忍氏

技能五輪紹介・モノづくり体験


トヨタは、モノづくり産業の発展に向けて「技」と「自主性」、そして「人間力」を兼ね備えた若手人材の育成を推進。その一環として技能五輪国際大会・全国大会に参加し、世界や国内の若手技能者が互いに技を競い合い、切磋琢磨することで、モノづくりの魅力を発信するとともに、モノづくり産業の発展にも貢献している。

今回のブースでは、技能五輪について知っていただくとともに、卓上成形機を用いたプラスチック成型品のモノづくり体験を実施。来場者が実際に手を動かすことで、モノづくりの奥深さや楽しさを体感できる機会を提供した。

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スペシャルオリンピックス紹介・応援メッセージ募集


スペシャルオリンピックスは、知的障がいのある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を年間通じ提供している国際的なスポーツ組織であり、トヨタおよび名古屋グランパスは、「スポーツを通じて垣根のない社会をつくりたい」という思いのもと、スペシャルオリンピックス日本の活動を応援している。

今回のブースでは、来年6月に実施されるスペシャルオリンピックス日本 夏季ナショナルゲーム「スペシャルオリンピックス2026東京」の紹介を実施。さらに、大会に出場するアスリートへ向けた応援メッセージを募集し、多くのファン・サポーターが参加して温かいエールが寄せられた。

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トヨタの複数部署の協力により、イベント全体として「サッカーがつなぐ未来」をテーマにした統合的な展示・体験が実現。さらに今回紹介した取り組み以外にも、トヨタをはじめ他のパートナーで様々な施策を展開。来場者にとって、サステナブルな社会づくりをより身近に“体感”できる一日となった。

今年のグランパスサステナEXPOは、昨年のSDGsデーから規模を拡大し、ファンやサポーター、パートナーとともに楽しみながら学び、サステナブルな取り組みに触れられるイベントとして実施された。

名古屋グランパス 広報ホームタウン部・ホームタウングループでグループリーダーを務める佐藤剛史氏は、今回のイベントの狙いについて次のように説明している。

「サステナビリティは世界的に注目されるテーマですが、難しいと感じる方も多いと思います。だからこそ、スポーツを通じて多くの方が集まる場で、楽しみながら学ぶことが重要だと考えました。今回は体験型の取り組みを通して、サステナビリティを身近に感じていただくことを意識しています。トヨタ自動車様の先進的な技術をスタジアムで活用できたことも非常にありがたく、グランパスファミリーの皆さまに直接体験していただけたことは意義深いです。少しずつ体験を重ねることで、自分でも取り組んでいただけるきっかけになったのではないかと思います。継続して活動していくことが重要だと考え、今後も取り組みを続けていきたいです」

名古屋グランパス 広報ホームタウン部・ホームタウングループ 佐藤 剛史氏

名古屋グランパス 広報ホームタウン部・ホームタウングループ 佐藤 剛史氏

今回のサステナEXPOには豊田市の太田稔彦市長も体験に訪れた。

サステナブルな社会は、一クラブだけでは成し遂げることはできない。名古屋グランパスは「Open mind for the Grampus family」を合言葉に、スポーツ・サッカーを通じて多くの方々とつながり合い、皆さまとともに明るい未来を創っていきたいとしている。今後も、名古屋グランパスを中心に、トヨタをはじめとする多様なパートナー企業、そしてファン・サポーターが一体となって進める取り組みから目が離せない。

最後は愛・地球博公式キャラクターのモリゾーとキッコロ、そしてグランパスサステナナビゲーターで選手OBの阿部翔平さんも加わって記念撮影。

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左から

愛・地球博公式キャラクター モリゾー

トヨタ自動車 水素ファクトリー(Chief Project Leader)濱村 芳彦氏

愛知県豊田市長 太田 稔彦氏

名古屋グランパス 代表取締役社長 清水 克洋氏

グランパスサステナナビゲーター(選手OB) 阿部 翔平氏

愛・地球博公式キャラクター キッコロ

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