2026/04/14
1勝2敗で迎えたGAME4。デンソーに王手をかけられたあとがないアンテロープスは序盤、気迫が感じられるゲームを展開。
出足は安間志織のドライブなど切れのある動きを見せて4-0で先行スタート。
その後は接戦に持ち込まれるも、持ち前のディフェンスで粘っては流れを取り戻し、オコンクウォ スーザン アマカのインサイドプレーや岡本美優、金田愛奈の3ポイント、小野寺佑奈の速い展開からの攻めが決まり、前半終了時は33-38。勝負は後半に持ち越された。

しかし、後半によもやのアクシデントが起こる。第3クォーター残り7分、司令塔の安間がリバウンド争いをしながら転倒して膝を強打。そこからは変わってコートに入った控えガードの小野寺が奮闘し、岡本の3ポイントとアマカのインサイドの活躍で一時は逆転に成功。49-50で第3クォーターを終え、最終クォーターに望みをつなぐ。
運命の第4クォーターに入ると、デンソーが激しいディフェンスから流れを取り戻し、アンテロープスは勢いに押されてしまう。負傷した安間がベンチから懸命に声を出すものの、デンソーに傾いた流れは最後まで止まらず。最終スコアは51-70。
悔しい敗戦を喫したアンテロープスのファイナルはここで終幕を迎えた。

3シーズンぶりに出場したWリーグファイナルを1勝3敗で終えたアンテロープスだが、悔しさの中にも相手を讃える気持ちも忘れなかった。大神雄子へッドコーチは「自分たちにとっては本当に今日が一番タフな日となりました。13人で戦い抜いたこのシーズン、しっかりと戦い抜いてくれた選手たちに一番は感謝したいと思います。そしてもう一つは、デンソーさんの優勝に『本当におめでとうございます』と伝えたいです。応援ありがとうございました」とコメント。

キャプテンの山本も、司令塔の小野寺も、この悔しさを糧に、次に進むことを誓っていた。
「デンソーさんは、今、自分たちが思っている『悔しい気持ち』を何年間も持っていて、今日こうして優勝できたので、そこは本当にデンソーさんをリスペクトしたいです。私はシンさん(大神へッドコーチ)を信じてやってきましたし、信じていたからこそ、今回は自分がチームを勝たせられなくて、本当に申し訳ないなという思いで今はいっぱいです。
ですが、自分たちはこの1年、苦しい試合がありながらも、最後はしっかり13人で最後まで戦うことができ、やってきたことは間違いではなかったと思います。今までやってきたことをつなげていき、この悔しい気持ちを忘れずに前を向いて、次に向かっていきたいと思っています」(山本麻衣)
「今日の試合で安間選手が怪我をしてしまった時に、自分がセカンドガードとして、ゲームコントロールができなかったことがすごく悔しいです。もっと、オフェンスでも、ディフェンスでも、できたことがあったんじゃないかという、悔しい思いが一番あります。
自分はファイナルの舞台に出ることが初めてでした。今までバスケットボールをやってきた中で、こういう舞台に立てることができなかったので、悔しい思いもありますが、このような環境でバスケットボールができていることに本当に感謝の気持ちでいっぱいです」(小野寺佑奈)

思えば、昨シーズンはエースの山本が負傷したこともあり、開幕から8連敗という苦しいスタート。今回のファイナルで活躍した岡本、小野寺、アマカをはじめ、シーズンを通して成長した三浦舞華、田中平和、古木梨子など大型ルーキーが多数入部したが、経験値が足りずにプレーオフ進出を逃す悔しさを味わった。
20-21、21-22シーズンにWリーグ連覇を経験している山本は今のチームを「ゼロから積み上げたチーム」だと語り、今季の躍進の理由の一つとして「アマカをはじめ、能力ある2年目の選手たちがアンテロープスのバスケにフィットしたことでレギュラーシーズン1位につながった」と語るように、今シーズンは若手の底上げによって、チームは目指しい成長を遂げた。
その根底にあるのは常に大神へッドコーチが言う、「昨シーズンの悔しさから一日一日、目標に向かって積み上げてきたもの」があるからであり、「自分たちのやってきたプロセスこそが大事」という経験からくるものだ。そうしたチーム共通の思いは、ファイナル終了後に山本が語っていた「自分たちのやってきたことに間違いはなかった」との言葉も示している。
ただ、優勝するにはあと一歩、届かなかった。それは来季への宿題として持ち越された。大神へッドコーチは今シーズンをこのように総括する。
「初めてWリーグのファイナルの舞台に立つ選手が多い中、レギュラーシーズンとは違うプレッシャーの中で、自分自身が選手たちにどう声をかけて、どのようなゲームプランをするか、司令塔の安間がアクシデントで抜けたあとにどう戦うのか、終盤のディフェンスの修正という点では学びの途中でした。ここは私の責任です。
ですが、最後まで13人全員がコートに立てたことに関しては、ストレングスとコンディションを作ってくれたスタッフに感謝していますし、13人がファイナルのコートに立つために、Wリーグの中で一番いい取り組みをしてきたことは自信を持って言えます」
昨シーズンの悔しさを糧に成長し続けた今シーズン。若いチームがWリーグのファイナルまで進み、そして多くの経験を積んだ「プロセス」を財産にして、アンテロープスは再び日本一を目指して前に進み続けます。
今シーズンもたくさんのご声援、ありがとうございました。
優勝:デンソーアイリス
準優勝:トヨタ自動車アンテロープス
プレーオフMVP:髙田真希(デンソー)
プレーオフベスト5:
川井 麻衣(デンソー)、
髙田 真希(デンソー)
シラ ソハナ ファトー ジャ(デンソー)
オコンクウォ スーザン アマカ(トヨタ自動車)
山本 麻衣(トヨタ自動車)
※東京運動記者クラブ・バスケットボール分科会の記者により選出
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