2025/10/22
10月17日のトヨタイムズスポーツは、スケートのショートトラック競技を特集した。
日本代表としてワールドツアーに出場しているスケート部の吉永一貴選手、平井亜実選手、渡邉碧選手、中島未莉選手に直撃インタビューを敢行。
それぞれが見せた進化や、世界に挑む決意を聞いた。
来年2月に迫ったミラノ・コルティナ2026オリンピックに向けて、ウィンタースポーツにとって重要なシーズンが始まった。ショートトラックでは、日本の出場枠を左右するのが、10月から計4戦行われるワールドツアー。トヨタのスケート部からも、3大会連続出場を目指すキャプテンの吉永選手ら4人が、9月の距離別選手権と代表選手選考会で好成績を残して選ばれている。
今回の番組では、WRCの取材で不在の森田京之介キャスターに代わり、冬季オリンピックに4大会出場したスケート部のレジェンド寺尾悟さんがMCを務めた。ゲストの古屋憲吾HC(ヘッドコーチ)も初めてのスタジオで、さまざまな面白ネタを仕込んで放送に臨んだ。
慣れない環境に「今日は滑り切るのが我々のテーマ」と寺尾キャスター。放送は無事に完走したが、別の意味での「滑り」に対するお互いの反応も見ものだ。
選手たちに話を聞いたのは、前キャプテンで平昌大会にも出場した横山大希選手。ラップが得意という吉永選手に対して「今日は俺はインタビュアー。お前は行くぜ、ワールドツアー!」とラップで切り込んだ。
突然のラップバトルに戸惑った吉永選手は「まったくない不安。だけどオレはなるで超スター、YEAH!」と返した。ラップには少し不安が残るが、競技に関しては不安がないようだ。
「自分の良さは攻めの姿勢なので、忘れないようにしつつ、距離別選手権で出た反省を織り交ぜたレースをしていきたい。 オリンピックではこれまでの2回の失敗も含めて、一番正解のレースと攻めのレースをしたいと思っています」
寺尾キャスターが「インからもアウトサイドからも抜いていくのは超一級品」、古屋HCは「1500mとスプリンターという両方の強みがある」と期待を寄せる吉永選手へのインタビューは12:43から。
女性陣を引っ張ってきた存在の平井選手は、距離別選手権2日目の1000mで優勝。「初日(500m)は調子が良かったんですけど、信じきれてない自分がいて。2日目は信じてもう1回挑戦しようっていう気持ちで臨めた」と語る。
4年前は代表選考漏れで悔しい思いをした。「何が足りなかったのか、自分の伸びしろがどこかというのを、4年間日々向き合い続けてこられた」と、再び挑戦を期す。
古屋HCも「腐らずしっかり着実に、朝も一番早く来てコツコツと自分の課題に取り組んでいる」と平井選手を評価している。
長距離を得意とする渡邉選手は、スピードもつけて500mでも結果を残すようになった。寺尾キャスターは「今年の国内2大会を見ても、自信のある感じがした。ワールドツアーも非常に楽しみ」と期待する。
「自分でしっかり枠を勝ち取っていきたい。世界を相手に臆することなく、どんどん強気に攻めていきたいなと思います」と渡邉選手。「ワールドツアーでは私の持ち前の気持ちの強さで押し切るところと、レース前でも余裕を持ってニコニコしている姿を見てください」と寺尾キャスターにメッセージを寄せた。
平井選手と渡邉選手のインタビューは20:01から。
国内では距離別で2冠、選考会で3冠と勢いに乗っている中島選手は、トヨタに今年4月に入社。「気持ちの強さが出てきて、試合のような練習をすることができて、精神面でも体力面でもう成長したと思います」と語る。
中島選手の強さについて、「氷の捉え方が非常にうまく、推進力をどんどん前に出し、それがリズムと重なってスピードが上がって、体力も最後まで落ちない」と寺尾キャスター。一方で「スタートからの加速と、抜いた後のコーナーの出口が甘い」とも指摘した。それを聞いた中島選手は納得した表情で「今の自分の課題でもあり、他にも課題はあるんですけど、ちゃんと向き合ってワールドツアーでは直せるようにしたいと思います」と話しており、まだまだ伸びしろを感じさせる。
「ラップ(タイム)も意識しながら、自分で試合を組み立ててきている」と古屋HCが成長を語った、中島選手へのインタビューは29:32から。
4選手の解説が終わり、古屋HCは「恒例のアレを」と唐突に始めたのが、「古屋憲吾の細かすぎても伝わるショートトラッククイズ」。寺尾キャスターが過去の放送でやっていた企画を、自ら持ち込んできた。
クイズの2問目は、選手たちにある瞬間のシーンを演じてもらい、それがどういう状況かを当てるもの。ガッツポーズやバンザイなど喜びのポーズが多い中で混乱させたのは、吉永選手が転倒している写真。解答者の寺尾キャスターは「スティーブン・ブラッドバリー?」と、先行する選手が全員転倒して優勝した“最も幸運な金メダリスト”で答えるか迷っていた。
正解は、ミラノで金メダルを取った時のゴールパフォーマンス。ちなみに吉永選手のイメージは、元コーチの高御堂雄三さん。ハイタッチ後の転倒まで真似しきっている。
ある意味でマニアックすぎるショートトラッククイズは36:01から。
ワールドツアーの後には、12月13・14日に東京辰巳アイスアリーナで全日本選手権が控えており、国内組にもミラノへの切符をつかむチャンスが残されている。トヨタのスケート部は1998年の長野大会から途絶えることなく選手を派遣しており、多くの選手を送り込んで念願のメダルを獲得したいところだ。
MCもゲストもインタビュアーも関係者が占め、スケート部ならではの個性が詰め込まれた今回の放送。その濃い魅力にハマったら、ぜひ会場や画面から声援を送ろう!
毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2025年10月24日)の特集は、森田キャスターによるセントラル・ヨーロピアン・ラリーのレポートをお送りする。ドイツ・チェコ・オーストリアの3カ国を走行したWRC第12戦を取材。各タイトル争いも山場を迎え、11月6日に開幕するラリージャパンに向けた見どころも予習する。ぜひ、お見逃しなく!
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