2024/06/12
6月7日のトヨタイムズスポーツは、パラ陸上競技を特集した。パリ2024パラリンピックが2カ月半後に迫り、いよいよ代表選手選考も大詰め。5月に神戸で行われた世界パラ陸上では、海外のGTTA(グローバルチームトヨタアスリート)が強さを見せた!国内GTTAはパリ大会出場が内定する銀メダル以内に入れなかったが、出場権獲得の目安となるハイパフォーマンスランキング8位以内を目指し、6人の日本人パラアスリートたちがラストチャンスへと挑む!
まずは5月17日の放送で開幕日の模様をお伝えした、世界パラ陸上選手権の振り返りから。GTTAは11人の選手が計15個のメダルを獲得した。現地で取材した三好南穂アスリートキャスターは「お客さんの数や盛り上がりを見て感動しちゃいました」と振り返った。
なかでも金メダル2個の活躍を見せたのが、両足が義足のフルール・ヨング選手(オランダ)。T64の走幅跳と100mを制した。明るいキャラクターが魅力で、インタビューVTRでは「パリでは(メダルを)もう2つなんてどうかしら」と笑顔を見せていた。
彼女が自ら明かした強さの秘密は、トップスピードの速さ。そのため、世界記録を持つ走幅跳では、他の選手よりも助走距離を長く取って加速する。100mではゴール直前の驚異的な伸びで0.02秒差の勝利。パラスポーツを観たことがない人に是非見てほしい圧巻の逆転劇は8:11から。
マール・メニエ選手(ドイツ)は、車いすの中距離3種目で金銀銅のメダルをそろえる活躍。金メダルを獲得したT54の800mでは、序盤から先頭に立ち、村岡桃佳選手らライバルを振り切ってみせた。最後までハラハラの逃げ切りレースは12:16から。
番組では、GTTAがメダルを獲得した残りの競技VTRをまとめてイッキ見せ。パリ大会に向けて予習しておきたい選手たちの活躍シーンは17:39から。
T38(脳原性まひ)の100mと走幅跳で金メダルのルカ・エクラー選手(ハンガリー)や、最速の義足ランナーと呼ばれT62の400mで金のハネス・フロールス選手(ドイツ)たちは、パリでもメダルへの期待大。T20走幅跳のアブドゥル・ラティーフ・ロムリー選手(マレーシア)、T54で100mのレオ=ペッカ・タハティ選手(フィンランド)ら、金メダリストの名前を噛まずに言えた三好キャスターもパリへ準備万端だ。
ラストチャンスの一つである日本選手権は、放送翌日の6月8日と9日に三重県で開催された。4人のGTTAが出場した中で、出場条件の当落線上にいるのが、石田駆選手(T47・100m)と高橋峻也選手(F46・やり投)。共にランキング8位で、日本記録の更新を目指す若手2人のインタビューは24:46から。
日本選手権では雨と目まぐるしく変わる風向きの影響もあり、石田選手が11秒29、高橋選手が59m23と記録更新はならず。今後、ランキングを上回ってくる選手が出てくるのか、予断を許さない。
結果は、佐藤選手が100mも200mも3位で、芦田選手は6m43。ランキング入りは果たせなかったが、言葉が深く胸に刺さる2人のインタビューは28:22から。
村岡選手の本命は東京大会で6位入賞を果たした100m。スイスでは2大会に出場し、土曜日の大会では16秒69、日曜日の大会では16秒77に終り、自身が持つ日本記録と、ハイパフォーマンスランキングの更新はならなかった。この後は、6月13・14日にパリで行われる大会に出場する予定だ。本当のラストチャンスに懸ける村岡選手の走りに期待しよう!
パリ大会に派遣される選手は、最終的に7月上旬に発表される予定。出場する選手はもちろん、残念ながら出場を逃した選手たちの想いを忘れずに、全てのアスリートたちにエールを送りたい。
最後に、「Road to PARIS」(37:03から)のコーナーから、1cmでも記録を伸ばすために地道な練習を続ける高橋峻也選手の言葉を紹介する。
「障がい者スポーツの認知度を上げるためには、自分がもっと記録向上をして、トヨタ自動車のような大きな会社に負けないような、象徴となる選手になるというのが1番大きな目標です。障がいのある方たちに少しでもスポーツという道を選んでいただけるように頑張りたいというのはもちろん、記録を出さないことにはメディアも動いてくれない。そのためには、先頭に立ってパラスポーツを引っ張っていける存在になりたいと思います」
村岡桃佳
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