2025/10/01
9月26日のトヨタイムズスポーツは、アマチュア相撲を特集した。
元横綱の白鵬さんが、トヨタグループの相撲部の合同稽古に参加。指導するだけでなく、まわしを巻いて土俵に立ち、部員らに胸を貸した。
相撲をオリンピック種目にする夢を白鵬さんが語り、部員たちも「出てみたい」とモチベーションUP!
トヨタイムズスポーツ初の相撲特集は、大物を迎えることになった。トヨタ自動車・アイシン・豊田自動織機の相撲部の合同稽古に、第69代横綱の白鵬さんがやって来るというのだ。
トヨタの相撲部は戦後まもない1946年(昭和21年)に発足し、80年近い歴史を持つ。1972年には国体で優勝した。
豊田章男会長は今年、日本相撲連盟に続き国際相撲連盟の会長に就任。白鵬さんも現役時代から少年相撲大会の「白鵬杯」を開催し、アマチュア相撲の発展に力を入れている。
相撲部が練習を行うトヨタスポーツセンター(愛知県豊田市)は、白鵬さんも名古屋場所の際に稽古を行っていた場所。思い出の土俵に大横綱が戻ってきた。
到着した白鵬さんはさっそくまわしをつけて、特別稽古の時間に。すり足の基本動作や、柱に向かって突っ張りを繰り返す鉄砲稽古などを、丁寧に一つ一つ教えていった。
稽古が一段落すると、森田キャスターが白鵬さんに土俵入りをリクエスト。部員たちの拍手にこたえて、4年ぶりの土俵入りを披露することになった。白鵬さんは露払いと太刀持ち役の部員を従えて、現役当時さながらの不知火型の土俵入りを披露した。
白鵬さんによる特別稽古と土俵入りは、8:41から。
特別にトヨタグループ対抗の体重別相撲選手権が開催されることになり、軽量級の決勝では、トヨタ自動車の井田陽斗選手が土俵際で勝利。重量級は、アイシンの北野泰聖選手が優勝した。女子の決勝は、トヨタ自動車の新井田未徠選手がうまくタイミングを外し相手を投げ出すと、白鵬さんとハイタッチ。
井田選手と北野選手によるチャンピオン決定戦は、体格差を生かして北野選手が外に突き出した。「白鵬さんの前でとらせてもらえて光栄でした」と、優勝コメントを階級で優勝した時の発言にかぶせると、白鵬さんも満面の笑みを見せた。
選手のプロフィールの「なすびの見た目が怖い」「フルーツジッパーの握手会に参加」が気になる対抗トーナメントは14:01から。
ここで白鵬さんが、「お祝いで1回」と、北野選手との取り組みを熱望して、土俵に上がって飛び入りで参加することになった。最強の相手との対戦に緊張を隠せない北野選手も、世界ジュニア相撲選手権大会で優勝したことのある実力者。迷いなく白鵬さんの胸にぶつかると、そのまま押し出した。
元横綱が敗れる番狂わせに、土俵は異様な盛り上がり。白鵬さんが「もういっちょ」と負け嫌いを見せ、2戦目は慎重に技で圧倒しようとするが、土俵際で北野選手が切り返して大金星を挙げた。
「稽古不足」と苦笑いする白鵬さんに「私もお願いします」と申し出た新たなチャレンジャーは、女子の部を制した新井田選手。以前に白鵬さんの娘に勝ったことがあると明かすと、白鵬さんはこの日一番の驚いたリアクションを見せた。白鵬さんによると史上初になるという、元横綱と成人女性による取り組みが実現した。
白鵬さんは北野選手に敗れたことが悔しくて、帰りの新幹線内で映像を何度も見返していたそうだ。北野選手や新井田選手との取り組みは22:23から。
稽古が終わった後は全員でちゃんこを食べながら交流。部員からの「もし生まれ変わったら次にどんな競技をしたい」という質問に、白鵬さんは「相撲がオリンピックの種目になるのは時間の問題になってきました。アマチュアで日本相撲連盟のもとでもう1回やって、金メダリストになりたい」と答えた。
インタビューでも白鵬さんは「(アマチュア相撲の)世界大会が5大陸に広がって、最終的にオリンピックになれば一番いい形。アマチュアが盛り上がって世界に注目されれば、オリンピック種目になれますし、そしてまた大相撲も盛り上がると思います」と話していた。
また、母国とトヨタの縁について、「モンゴルは8割9割トヨタ車が走っているんです モンゴルの国民がなんでこんなにトヨタを愛しているのかって章男さん(豊田会長)が感動したっていうのがあって。本当に広い土地で何千kmも走らなければいけないから、安心安全なクルマに乗って好きな家族を乗せて地元に帰る。そういうのがモンゴルの人たちがトヨタ車を選んだのが大きいですよね」と語った。
白鵬さんがアマチュア相撲やオリンピックへの想いを明かしたのは51:41から。
今回の放送のスタジオゲストには、稽古に参加していたトヨタの相撲部員が出演。白鵬さんのまわしを巻く役目を申し出た19歳の田島徳文選手と、女子部員で21歳の賀數(かかず)心選手だ。
現在は9名の部員が在籍しており、うち3名が女性。賀數選手は身長148cmで女子でも軽量級だが、森田キャスターを「自信持って投げられます。一瞬です」と語る。相撲は小学1年の時に始め、「同じ学年の男の子とやることが多かったんですけど、それでも倒せるんだ」と楽しくなっていったそうだ。
鍛えられた筋肉に目が行く田島選手は78kg。子どもの頃は相撲と野球をしていて、高校に入って相撲に専念した。3年の時に世界ジュニアで優勝したが「免許に受かった時の方がうれしかった」とのこと。それを聞いた森田キャスターは「筆記試験に4回落ちてるからね…」と複雑な表情だった。
アマチュア相撲は体重別に階級が分かれて戦うことができる一方で、選手たちは大会前に減量に取り組まなければならないそうだ。2人の初々しいトークは29:23から。
稽古が終わった後、白鵬さんは「本当に強い選手たちがいますし、彼らが全国大会や世界大会で頑張ってみんなを引っ張っていけるようになってもらいたい。また稽古をつけてやりたい気持ちになりましたね」と感想を話していた。
来年の白鵬杯には女子の部門も設けられ、10月3日に開業するトヨタアリーナ東京で開催される予定。目標とするオリンピック種目に向けて、今後もアマチュア相撲をめぐる動向が注目される。
賀數選手は「男子は両国、女子はアリーナみたいになれば」と、トヨタアリーナが女子相撲の聖地になることを期待。田島選手は「スポットライトとか 1 点に集中して当たることとか大会であまりないのでで、そこで試合をできたら」と話していた。
職場の同僚に応援してもらうのは「恥ずかしいです。余計緊張してしまう」と、賀數選手は話していた。選手たちが声援を力にして全力の相撲がとれるように、アマチュア相撲を盛り上げていこう!
毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2025年10月3日)は、Bリーグが開幕するアルバルク東京を特集する。新たな本拠地のトヨタアリーナ東京で迎える新シーズン、どんなバスケットボールを見せるのかを取材。ゲストに育休中の三好南穂さんを迎えてお送りする。ぜひ、お見逃しなく!
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