2025/03/04

元アスリートだから伝えられることがある。個性豊かなキャスター4人が集結


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2月28日のトヨタイムズスポーツは、番組の取材や解説などで活躍しているアスリートキャスターを特集した。

現役を離れた元アスリートたちが「伝える」という仕事に挑戦することで、どんな気づきを得て、どんなことを伝えようとしているのか?

三好南穂(バスケットボール)、寺尾悟(スケート)、竹内大助(野球)、竹中七海(新体操)の4人が集合して座談会を開催。選手出身だからできることや、伝える立場になって感じたことなどを語り合った。

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セカンドキャリアとして挑戦する元選手たち


「アスリートキャスター」は、現役を引退した選手たちが競技経験を生かしてチャレンジしているキャスター業。元アスリートたちは自身のセカンドキャリアとして、社業などと並行しながらキャスターの仕事をこなし、さまざまなスポーツに触れながら日々新たな成長を続けてきた。

トヨタイムズスポーツでの役割は、 スタジオでのコメントや解説だけでなく、大会や練習の現場に出向いての取材や、試合の解説など。ときには番組のMCやナレーションも任される。スタジオに出演した4人のアスリートキャスターの活躍をまとめた、ダイジェスト映像は3:26から。

生放送中には、アスリートキャスターの一人で元ビーチバレーボール部の溝江明香が、産休中でスタジオに来れない代わりに、チャット欄に参加。「伝え手とアスリート、両方の立場から考えられるからアスリートキャスターって面白い、奥が深いって感じてました 難しいけど楽しいです!」とコメントしていた。

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本番中もメモを欠かさぬ竹中七海


4人には、自身のアスリートキャスターの能力を五角形のレーダーチャートで自己評価してもらった。「滑舌」「インタビュー力」「思い切り」「表現力」とオリジナル項目が並ぶ中で、1人だけ枠を突き抜ける線を描いていたのが、新体操のフェアリージャパンPOLAで東京2020オリンピックにも出場した竹中七海だった。

竹中が強くアピールするのが「勉強意欲」。4人の中では最も経験が浅いが、「事前にたくさん選手のことを調べようと思っています」と、勉強量でカバーしようと努力している。細かい情報までびっしりと書き込んだノートを披露し、今回の本番中も三好からのアドバイスにメモを取っていた。

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実績アピールの三好南穂、初登場の映像は?


逆にキャスターの経験値が最も高いのが、元女子バスケットボール部の三好。昨年のパリ2024オリンピックでも、現地に長期滞在して最新情報を届けた。自己評価は「思い切り」が満点で、番組ではダンスのブレイキンをやり切るなど、選手時代に大舞台で鍛えた度胸を見せてきた。

もう1つの満点が「実績」。三好がお約束となった東京大会銀メダルのマウントを取ろうとすると、他のメンバーは「(昔は)そんなじゃなかった」とツッコんだ。初心を取り戻すために見てほしいと言われた、キャスターたちの初出演時の映像は11:05から。

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そんな三好も「自分の競技じゃない人たちに聞くって、なかなか調べきれない部分もあって、正直心の中では怖い。でも、変に知った顔をしないで、疑問に思ったことを素直な気持ちとして聞くのはやっています」と語る。

持ち込み企画の準備に余念がない寺尾悟


スケートのショートトラックのレジェンドである寺尾は、ベテランらしからぬ「前のめり感」が魅力の1つ。三好による第一印象は「4回もオリンピックに出て、こんなにしゃべる人いるんだ」とのことだ。

番組出演の際にはインパクトを残そうと、クイズなどの持ち込み企画を自分から提案して盛り上げてきた。「スポーツはまず興味を持っていただくことが、わかりやすい入り口」とその意図を語るが、回を重ねるごとにプレッシャーになり、事前準備が大変だという。

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鉄板ネタでもある豊田章男会長に“謝られた”エピソードは15:10から。

竹内大助は自宅で本職アナウンサーが徹底指導


竹内は、硬式野球部が2016年に都市対抗野球で初優勝するのに貢献、その後は母校の慶応義塾大学の野球部で助監督も務めた。自己評価で高いのが「家でのアドバイス」。「ウチの奥様(上田まりえさん)も元々伝える仕事、アナウンサーをしていまして。家に帰るといろんな評価をいただける」と、ダメ出しならぬアドバイスをみっちり受けているそうだ。

他のキャスターとの違いは、ディレクターとして番組を制作する立場になったこと。「伝える人がより伝えやすいように。原稿をこういう改行でいいのかとか、三好さんに見せるカンペはどういう書体で作ったらいいのかとか、相手目線に立って考えることがすごく大きな変化」と話す。

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競技者だから知る、伝えることの難しさ


不在だった番組MCの森田京之介キャスターからは、競技とキャスターとの違い、そして共通点について事前に質問が寄せられた。4人の回答の抜粋は以下の通り。

寺尾「同じ一言でも、背景やストーリーはそれぞれある。勝った負けただけじゃないところをいかに伝えていくかは、難しさを感じます」

竹内「伝える人がしゃべるネタを準備する人、そのネタを探してくる人、その周りにいろんな人がいて。チームワークを持ってやることは、チーム競技をやっていた経験がつながっています」

三好「今までは自分が主役というか、自分をどんどんアピールしていけば良かったけど。アスリートキャスターになって、いかに相手を輝かせられるかは、気持ちとして変わりました」

竹中「自分が話す側から聞き手に回った時に、ただ話すよりも深い部分とか出してほしい時に、やってみると本当に難しい。キャスターとして技術を持って伝えていきたいなって」

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キャスターの仕事とクルマづくりの共通点


取材の楽しさや難しさ、アスリートキャスターとしての今後の抱負などを語った4人。竹内が温めている企画の提案や、寺尾が取材を予定している大会のネタバレも飛び出した。

総括を任された竹中は「一つ一つの素材を集めて、それを皆さんの特別な想いでつなげていく工程があって、最後にアスリートキャスターが工夫して発信する。それはクルマづくりと似ているのかなと感じました」と締めくくった。

トヨタアスリートの結果と予定も4人で力を合わせて伝え、森田キャスターがいないことを感じさせなかったアスリートキャスターたち。それぞれの道で一流を極めた元選手だからこそ、そのポテンシャルは計り知れないものがある。現役で活躍中のアスリートの成長と同様に、彼らの成長も楽しみにしていただきたい。

毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2025年3月7日)は、全日本ラリー選手権を特集する。生放送を不在だった森田キャスターは、開幕戦のラリー三河湾を取材するため早めに現場入り。その結果や、2年目を迎えたモリゾウチャレンジカップに参戦する若手ドライバーたちの奮闘をお届けする。スタジオゲストはコ・ドライバーの保井隆宏選手。ぜひ、お見逃しなく!

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