2025/07/24

宇野昌磨が宇野昌磨を生解説。初プロデュース「Ice Brave」と「2」への想い


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7月18日のトヨタイムズスポーツは、初プロデュースのアイスショー「Ice Brave」公演を終えたばかりの宇野昌磨さんが生出演。印象に残った4つのプログラムを映像で振り返り、宇野さん自身がステージの裏側やこだわりについて解説。宇野ワールド全開で本音をぶっちゃけながら、ショーや仲間、そしてファンへの熱い想いを語った。

11月に開演する「Ice Brave2」の詳細も番組内で発表。宇野昌磨が次は宇野昌磨をどう動かすのか、期待は高まるばかり!

「こんなに体力を酷使することはない」


スタジオでは、引退会見や「Ice Brave」の発表と同様に森田京之介キャスターが司会を務め、リラックスした表情の宇野さん。6月から7月にかけて愛知・福岡・新潟での全9公演を終え、「めっちゃ疲れました」と率直に振り返った。

宇野「お客さんも入って大きな歓声があると、100%以上を出してしまう。体力的にはもう1 歩も動けない気持ちになりながらも、でも毎回大きな盛り上がりで来ていただけるので、また超えていっての繰り返し。こんなに体力を酷使することはないです。試合は最後までバテないように、80%ぐらいの体力で終えられるように練習するんですけど。このショーに関しては、ここで燃え尽きてもいいので、その場を楽しませるっていうことが一番重要。思わずやりすぎてしまうっていうのはありましたけど、本当に楽しかったです」

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緊張を打ち破った、ファンの歓声と拍手


公演初日直前のインタビュー(10:06~ )では、「余裕がなさすぎて、感極まるとかもないです」とコメントをしていた宇野さん。不安や緊張を打ち破ったのは、ファンの歓声と拍手だった。

宇野「積み上げて作ってきたものがどういう形になるんだろうとか、いろんな想いがあったんですけども。始まる前の皆さんの大きな歓声で、僕たちはみんな安心したと思います。皆さんが楽しみにしてくれてるんだなっていうのが伝わってきて。あの瞬間にみんな団結して、『できるかな、できないかな』じゃなくて『皆さんを楽しませたい』という想いに変わる瞬間ですね」

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ショーを完成させて得た経験


プロデューサーとして一つのアイスショーを完成させるのも、現役時代にはなかった経験。新たな思考と試行を繰り返して、宇野昌磨としての新たな表現を生み出した。

宇野「実際滑ってみて全体を通したら、1個1 個とはまた違った感想を感じたので、プロデュースするにあたって変更もありながら。でも自分は宇野昌磨を動かしている側なので、どうしても客観的に見きれない部分もあって。スタッフの方とフィードバックをしあいながら、いい演目ができたんじゃないかなと。

やっとスタート地点に立ったなというのが、自分のガチな感想で。いいものをお届けできたというのとは別に、エンターテイメントを皆さんにお送りする側としては、もっといろんなことができるんじゃないかとか。不得意を得意にするのも大事ですし、逆に自分の得意を把握してどう見せるかも大事。これから自分を磨いていかなければいけないなというのが、ちょっと競技っぽい感想になっちゃうんですけど」

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自らの演技を解説してダメ出し


宇野さんが今回セレクトして振り返ったプログラムは24:30から。「Great Spirit」「Narco」「Wild Side」「Boléro Ⅳ」の4つを、宇野さんが自ら解説した。

「自分の映像を見ると、もうちょっとこうして欲しいって思っちゃうから、ダメ出しモードに入っちゃう」と、自身の滑りに容赦なくダメ出しをしていた宇野さん。それでも、楽しそうに演技する自分の姿には「いい顔していますね」「まあまあやるじゃんって感じ」とコメントしていた。

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ショーのオープニングを飾る「Great Spirit」について、「僕のプロスケーターとしての強みを考えた時に、自分自身はエネルギッシュな一面かなと思って、一番エネルギーが伝わる演目にしました」と語る。「Narco」では、ストリートダンスに初挑戦。練習にも熱が入った。

宇野「今まではフィギュアスケートの延長線上で、振り付けも足はこっちが来るだろうみたいなのが多かったんですけど、その常識がちょっと違った。でも、自分のできないことに取り組むのは面白くて、人生で一番氷に乗っていましたね。現役の時は40分とか50 分とかで休憩を挟みながらやったんですけど。ショー期間中は、お風呂に入りすぎて足がふやける時があるじゃないですか。 そうなっていました。シワシワになるぐらい。6、7時間ぐらいずっと靴を履いていて」

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ステファンとの師弟競演は胸アツ


「Wild Side」でも、アイスダンスに初めて挑んだ。2人でスピンする際の軸の位置がシングルとは異なり、身体の使い方も変わるなど、難しい要素が多かった。しかし、「かっこ悪いじゃないですか。自分が変えたものが『難しいけど頑張ってるんですよね』って。自分で説明するのはかっこ悪いんで」と宇野さんらしいコメント。アイスダンス選手の筋力を「見習わなきゃ」としつつも、鍛える宣言をするかどうかを森田キャスターに聞かれて、「しないです」と漫才のようなやり取りを見せていた。

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最後の演目は、世界を制した「Boléro Ⅳ」。当初は体力がきつい中で途中からの出番だったが、「みんなと滑るのがすごい楽しくて好きで」と、最初から出演することになった。コーチを務めたステファン・ランビエール氏との師弟競演は「客観的に見たら胸アツですね」。

宇野「ステファンが振り付けてくれる時の演技が、やっぱりすごい。僕じゃなくてステファンに滑ってほしいなというのは現役の時から思っていて、もうこれは現実にする時だと思って。いや、よくやりますよね、マジで40歳で。 絶対自分は40歳であんなに滑れないです」

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「Ice Brave2」は11月、京都からスタート


新潟公演の千秋楽で発表された「Ice Brave2」についての発表は55:01から。番組ではキービジュアルが初公開され、スクショタイムが設けられた。チャット欄の視聴者からの生コメントで「2ポーズ」のリクエストがあり、ポーズをムチャ振りされて、しぶしぶ指を2本立てた宇野さん。その表情を見て森田キャスターが爆笑すると、「良くないなー。プロ意識足りない」と自分を戒めていた。

「Ice Brave2」は11月1日の京都公演から始まり、東京・山梨・島根・宮城で予定されている。チケットの最速先行抽選がすでに始まっている会場もあり、詳しくは公式サイトへ。

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平昌大会でメダルを獲得した「トゥーランドット」を披露するかについて、森田キャスターから質問も。宇野さんは「僕のイメージ的には結構やったことがあるので。マジな話、めっちゃ迷っています」と、セットリストをどうするかはこれからの模様だ。

宇野「メンバーも変わりますし2ではあるけど、Ice Braveという名前が変わっていないからこそ、よりレベルアップして、全く別のショーではないという位置付けの予定です。今回2も、また1 とは違ったいろんな挑戦を入れたいと思っています。1と2の差をしっかり見せたいし、でも1の良さも残したいというのが、今僕の頭を悩ませています」

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まだまだ続く宇野語録


最後に、視聴者から寄せられた大量の質問の中から、宇野さんの回答をピックアップする。自分を飾らず正直なまま、ファンのリクエストに真摯に応えようとするスタンスで、「Ice Brave2」ではさらに進化した姿を見せてくれるに違いない。

宇野「あれだけの体力のきつさって、人生この先これ以上体力を酷使することはないんじゃないかっていうぐらい、力の配分を間違えていたと思います。最後までもたないのは良くないんですけど、でも一番いいものを見せたい、最高のパフォーマンスを見せたいという表れだと思います。その配分を気にするなら、プロデュースする段階で考えるべき(笑)」

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宇野「40歳を目標にしたら、また違う方向性になって、それこそペース配分になっちゃうので。毎日やっていた先に、ステファンも40 歳でスケートやっているというのがある。現役の時もやっぱ後先考えないというのが(あった)。今日そして今がベスト。先は分かりません」

宇野「社会に溶け込めたなって思います。引退しての期間って、アスリートでもないし、社会にも溶け込んでないし、何もしてなかった。ようやくこのアイスショーをやって、終わってみれば作る側としてちょっと堂々とできたなって。やっと選手からちゃんとプロに変わったなと思います」

宇野「僕自身が僕のアクリスタンドが欲しいかって、わからないんですよ。でも、僕を好きで見てくれる人は欲しいじゃないですか。難しいんです、その攻めぎ合いが。僕が欲しいと思うのと、皆さんが欲しいと思う、その間を取りたいって攻めぎあいだったんですけど」

宇野「僕は今まで選手のとき、イチ(1)があるところからより長く遠くまで行けるように頑張ってきました。ショーを作ったりするうえで、ゼロ(0)からイチを作り出す人になるという立場に変わったときに、大変さもあり、そこにしかない楽しさも今回感じられたので。引き続きゼロイチの方を今後も精進していきたいと思います」

毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2025年7月25日)は、スーパーフォーミュラとKYOJO CUPを特集する。男女の国内トップフォーミュラが7月19・20日に同時開催。モータースポーツ界の新たな歴史のページを開く2日間を、富士スピードウェイで密着取材した。昨年のチャンピオンである坪井翔選手と斎藤愛未選手の夫婦の活躍や、あの選手の引退発表など、見どころいっぱい。ぜひ、お見逃しなく!

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